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日外会誌. 117(3): 199-203, 2016


特集

高齢者における外科治療の低侵襲化と至適管理

7.周術期感染症のサーベイランスと感染制御

東邦大学医療センター大橋病院 外科

渡邉 学 , 草地 信也

内容要旨
術後感染症は手術部位感染症(Surgical Site Infection:SSI)と遠隔感染症(Remote Infection:RI)に分類され,発症のリスク因子として医療行為の背景因子,高齢などの患者側の因子,細菌側の因子が挙げられる.術後感染症は,発症すると患者の入院期間の延長や負担が増加するだけでなく,予後にも影響を及ぼす.そのため,各施設で術後感染症のサーベイランスを行うことにより,感染のリスク要因を明らかにし,感染対策を実行し評価することが重要である.また,人口の高齢化に伴って,高齢者に対しても積極的に外科的手術が行われるようになっている.しかし,高齢者は加齢に伴う主要臓器の機能低下や併存疾患が存在することが多く,手術手技や周術期管理の進歩した現在においても,その手術は若年者と比較しリスクが高い.そのため,術前のリスクを十分に把握し,慎重な手術適応と適切な周術期管理を行うことが重要である.

キーワード
周術期感染症, サーベイランス, 感染対策


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