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日外会誌. 116(4): 236-242, 2015
特集
外科周術期管理の最前線―術後回復力強化プログラム―
4.術後回復を促進する麻酔管理
I.内容要旨
術後回復力強化プログラムにおいて,麻酔科医は患者の術後回復促進のために重要な役割を担う.古典的な周術期管理の問題点は,患者が飢餓および侵襲下,過剰輸液の状態に置かれていたことであった.これに対して,術後回復力強化プログラムにおいて麻酔科医は,周術期の絶飲食期間を短縮し,十分な麻酔深度を維持し,適切な輸液管理を実施する.特に,術後回復の阻害因子である疼痛および消化管機能不全,安静による不動の3因子に対して,疼痛管理を軸に,早期覚醒および早期経口摂取が達成できる麻酔管理を目指す.術後回復促進を目的に,術者と麻酔科医が情報および技術を共有することで,周術期管理を円滑化させ安全性や治療成績の向上につながるなどの相乗効果が期待できる.
キーワード
術後回復, 麻酔, 侵襲, チーム医療, 術中管理
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