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日外会誌. 115(4): 195-200, 2014


特集

胆道癌外科治療の現況

5.十二指腸乳頭部癌の外科治療の現況―至適リンパ節郭清範囲,外科的乳頭切除を含めて―

久留米大学 外科

安永 昌史 , 木下 壽文

I.内容要旨
十二指腸乳頭部癌に対する標準治療は膵頭十二指腸切除術(PD,PPPD or SSPPD)が基本術式であるが,リンパ節転移においては膵頭後部リンパ節(No. 13)転移もさることながら腸間膜根部リンパ節(No. 14)転移も少なくなく,当科ではNo. 14転移陽性例で6例の5年生存例を得ていることから,リンパ節郭清範囲は系統的No. 14郭清を伴うD2リンパ節郭清が基本と考える.外科的乳頭部切除術は手術侵襲が少なく安全な術式ではあるが,リンパ節郭清や術後の病理学的検索も困難であり,また切除断端が陽性となる可能性が高いため,超高齢者や全身状態不良なハイリスク症例が適応となると思われる.

キーワード
十二指腸乳頭部癌, 膵頭十二指腸切除術, 腸間膜根部リンパ節廓清, 乳頭部切除術


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