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日外会誌. 115(1): 29-32, 2014


特集

National Clinical Databaseの現状とこれから

7.呼吸器外科領域における今後の取り組み

東京医科大学 外科1講座

池田 徳彦 , 吉田 浩一

I.内容要旨
専門医による癌の日常診療を行いつつ,それと直結するデータで手術適応やアウトカムなどを明らかにし,医療に最適な標準化や均てん化を決定することは重要である.例えば本邦では年間32,000件の肺癌手術が行われているが,そのうち半数強が胸腔鏡下手術を行なったものである.人口の高齢化と早期癌の増加傾向により,低侵襲手術の比率は更に高まるものと考える.新たな医療行為が十分な効果と安全性を有するかを科学的に証明するにはNational Clinical Database(NCD)を利用して,術者,当該疾患,術式などに関する調査項目を全国規模で入力,集計できれば,実施状況をはじめ,あるコーホートごとのパフォーマンスを把握することも可能となる.また,医療の進歩に向けた課題の同定に直結する.全国と対比する形で,各施設や専門医個人が現状の治療方針·技術のフィードバックを行うことにより,質の高い医療を目指した取り組みが期待しうる.肺癌外科領域全体としての治療成績の向上を患者·市民に示すことにより,より安心·納得して医療を受ける環境整備に寄与することも可能である1) .NCDは各学会における専門医制度の申請·更新を円滑化しながら,医療水準評価や大規模前向き研究を支援することが可能なデータベースであり,日常の医療水準を向上させながら専門医の技術進歩や臨床研究の遂行を呼吸器外科領域の目標としたい.

キーワード
National Clinical database(NCD), データベース, 専門医, 疾患登録, 呼吸器外科


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