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日外会誌. 115(1): 22-28, 2014


特集

National Clinical Dabaseの現状とこれから

6.心臓血管外科領域のさらなる発展

東京大学 医学部心臓外科

本村 昇

I.内容要旨
日本心臓血管外科手術データベース(Japan Cardiovascular Surgery Database;JCVSD)はNational Clinical Database(NCD)が発足するより10年前の2000年に発足した.目的は心臓血管外科手術のQuality Improvementを通じての国民の福祉向上である.Web-baseの入力方式を採用し入力項目と定義は北米の巨大データベース,STS National Databaseにならった.発足当初は5施設であった参加施設は徐々に増加し,現在では500以上の施設が参加している.2008年にはリスクモデルが完成し,これによる手術死亡率計算式(JapanSCORE)が公開となり,重症度補正死亡率が使用可能となった.データベースのquality向上のために3つの委員会を設けた.i)入力データの正確性を担保するために,毎月施設を訪問するサイトビジット検討委員会.ii)入力項目や定義の明瞭化,改定を司る入力項目検討委員会.iii)膨大なデータを誰がどのように使用するのかを吟味するデータ利用検討委員会である.これら貴重なデータを用いて既に多くの結果が世界的な学会や論文に発表されている.さらに,保険改訂事業,心臓血管外科専門医業務,また,企業とも連携し,デバイス申請に向けた治験業務,市販後調査業務にも積極的に提携使用されている.全国から集められた正確で膨大なデータを有効活用し,外科医のためだけでなく,患者さん視点に立った医療に向けてさらなる努力を続けていきたい.

キーワード
データベース, NCD, リスクモデル, 心臓血管外科手術データベース, JapanSCORE


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