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日外会誌. 113(6): 496-501, 2012


特集

内分泌外科の現状と将来

4.副腎の外科

名古屋大学 乳腺·内分泌外科

今井 常夫

I.内容要旨
副腎摘出術の適応となる原発性アルドステロン症·クッシング症候群·褐色細胞腫·副腎癌は特徴ある疾患で医師なら誰でも知っているが,疾患そのものの頻度が低いため多くの外科医が多数例を経験する手術ではない.日本では腹腔鏡下副腎摘出術の実施件数が年々増加し2009年に1,000件を越えた.米国では副腎手術に占める腹腔鏡手術は20%と低いが,日本で開放手術と腹腔鏡手術がどれくらいの割合かは不明である.腹腔鏡手術のひとつで単孔式手術が副腎手術に応用され始めている.副腎癌は外科治療が標準で,悪性を疑うときは最初から開放手術できれいに腫瘍を摘出することが推奨される.副腎皮質癌の補助療法としてのミトタン使用は慎重に行うべきである.進行·再発副腎皮質癌はミトタンと化学療法の併用療法が期待される.原発性アルドステロン症の手術は腹腔鏡下副腎摘出術で問題ないが,診断方法がいろいろ議論されておりコンセンサスが得られていない.褐色細胞腫の血中メタネフリン分画測定法,遺伝性褐色細胞腫·パラガングリオーマ症候群(Hereditary pheochromocytoma/paraganglioma syndrome:HPPS)の遺伝子検査は,今後期待される分野である.褐色細胞腫と多発性内分泌腫瘍症に伴う副腎腫瘍の全国調査が厚生労働省班研究として行われ,日本における実態が解明されつつある.

キーワード
副腎, 副腎摘出術, 副腎腫瘍, ホルモン産生腫瘍, 腹腔鏡手術


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