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日外会誌. 111(5): 279-283, 2010


特集

小児臓器移植の現況

2.心臓移植

千葉大学大学院 医学研究院心臓血管外科

松宮 護郎

I.内容要旨
小児心臓移植は,その適応評価,術前術後管理,免疫抑制,拒絶反応の診断などに成人と比べ多くの特殊性を有している.それらは大きな形態的バリエーションを持った先天性心疾患,機械的補助循環の未整備,より未熟な免疫能,成長に対する配慮が必要なことなどによるところが大きい.これらの困難性にも関わらず小児心臓移植後成績は年々改善を認め,特に移植後6カ月未満での死亡率は初期に比べ約30%減少したと報告されている.しかしながら,移植後冠動脈病変によるグラフト不全などにより長期成績には依然として限界があり,今後の対策が必要である.最も大きな問題点はドナー不足であり,特に機械的補助循環が使用できない乳児や先天性心疾患児においてはその影響が大きく,待機中の死亡率も高い.これに対しABO不適合や心停止後ドナーの利用などの新しい試みがなされつつある.また乳児にも使用できる新しい補助人工心臓の開発も進行しており,これらにより小児心臓移植成績のさらなる向上が期待される.

キーワード
小児心臓移植, 先天性心疾患, 心筋症, 肺高血圧, 免疫抑制剤


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