[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (1025KB)

日外会誌. 111(3): 149-155, 2010


特集

外科とリスクマネジメント

4.術前·術後栄養管理

久留米大学医学部外科学講座 小児外科部門

田中 芳明 , 朝川 貴博 , 七種 伸行 , 小島 伸一郎 , 古賀 義法 , 橋詰 直樹 , 飯田 仁志 , 八木 実

I.内容要旨
外科手術に際し,患者の術前栄養状態はその予後を左右する.周術期に潜む様々なリスクを可能な限り低下させ予後を改善させるために,われわれ医療従事者は,栄養管理の巧拙が患者の予後に大きな影響を及ぼすということを常に念頭に置き,術前患者に対するリスクマネジメントを行う必要がある.まずは,主観的包括的栄養評価や客観的栄養評価を用いて患者の栄養状態のアセスメントが必要である.次に患者の栄養状態や病態,治療計画などを考慮した上で,患者の栄養状態の維持や改善に適した栄養療法を選択する.静脈栄養を行う際には,末梢静脈栄養は投与エネルギー量に限界があるため,栄養状態の改善を要する場合や,長期間の絶食を要する場合などは中心静脈栄養を選択する.ただし,静脈栄養は非生理的であり,経腸栄養に比して重篤な合併症が多い.経腸栄養では,経鼻チューブを用いる場合にはチューブの位置異常による栄養剤の誤注入や嘔吐などに注意し,胃瘻や腸瘻から栄養剤を投与する場合には投与量や投与速度などに注意が必要である.適切な栄養療法の実践に際して,その適応,リスク,管理上の問題点とその改善策について充分な知識の習得と研鑽が必要である.

キーワード
術前·術後栄養管理, リスクマネジメント, 静脈栄養, 経腸栄養


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。