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日外会誌. 111(1): 8-12, 2010
特集
消化器外科術後食に関する新しい考え方
3.鏡視下手術がもたらしたもの
1)胸部食道切除術
I.内容要旨
近年低侵襲手術の導入にともない食道切除術周術期栄養管理が変わりつつある.とくに消化器外科手術周術期における特殊栄養素を含有した経腸栄養投与効果に関してのエビデンスが蓄積されている.鏡視下手術は進行食道癌に対しても適応が拡大されてきており,それにともない周術期栄養管理も変化が認められる.術前栄養状態不良症例に対して,鏡視下食道切除術を施行した場合でも術後合併症が発生する可能性が高いことから適切な周術期栄養管理が重要である.術後合併症ハイリスク症例に対しては病態別栄養素を含有した経腸栄養管理が有用である.すなわち鏡視下食道切除術に対する適切な周術期栄養管理とは,1)嚥下機能評価を行った上での早期経口摂取の促進,2)腹腔鏡下空腸瘻造設術を含めた適切な経腸栄養投与ルートの選択,3)経腸栄養剤の適切な選択と投与量であり,手術の低侵襲性により術後早期からの嚥下·消化機能回復と栄養状態改善によるQOLの向上が可能となると考えられる.
キーワード
鏡視下手術, 鏡視下食道切除, 早期経腸栄養, 免疫賦活経腸栄養剤, 消化管瘻
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