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日外会誌. 110(2): 68-72, 2009


特集

Sentinel Node Navigation Surgeryの進歩

3胃癌

防衛医科大学校 外科

市倉 隆

I.内容要旨
胃癌のsentinel node(SN)同定では色素,radioisotope標識粒子,あるいは両者を腫瘍周囲に内視鏡的に粘膜下注入,または術野で直視下に漿膜側から注入する.1999年以降,T1胃癌ではSN理論が成り立つとの報告が多くみられ,多施設共同研究の結果も近々発表される.SN生検で転移陽性が判明した場合,D1+α/β郭清からD2郭清に移行するという治療戦略は妥当と思われ,当科では2000年から採用している.一方,SN生検による術中転移診断では偽陰性が生じうるが,その場合でも,微小転移を含め,転移はSNが分布したリンパ節station(SN station)に限局していたことから,SN生検陰性例に対してはSN station郭清+胃局所切除が選択肢となりうる.当科では2003年から本術式を行ってきたが,SN stationの分布や腫瘍の局在から分節胃切除を行わざるをえない症例も多く,小弯側の郭清に伴う胃運動能障害も加わり術後愁訴はゼロとはならない.SN station郭清+submucosal dissectionも治療オプションとなりうるが,最終的には腹腔鏡下にSNをサンプリングし,転移陰性ならESDで治療を完結するという図式が目標である.このためには,SNの同定・サンプリング手技を標準化すること,isolated tumour cellsを含めた微小転移の扱いを明確にすること,分子生物学的転移診断法などを用いて術中転移診断精度を向上させることが必須である.

キーワード
センチネルリンパ節, リンパ節郭清, 縮小手術, 微小転移


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