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日外会誌. 110(2): 63-67, 2009


特集

Sentinel Node Navigation Surgeryの進歩

2食道癌

鹿児島大学大学院 腫瘍制御学・消化器外科学

上之園 芳一 , 有上 貴明 , 有馬 豪男 , 柳田 茂寛 , 奥村 浩 , 松本 正隆 , 大脇 哲洋 , 石神 純也 , 夏越 祥次

I. 内容要旨
Sentinel Node(SN)理論が食道癌に臨床応用可能となれば,高度の侵襲を伴う食道癌手術での有用性は高い.頸部や上縦隔のリンパ節郭清の省略や,内視鏡的治療とSNサンプリングの併用による食道温存,SNを標的とした放射線治療など症例に応じた治療の個別化が考えられる.食道のSN同定は,リンパ流の解剖学的特異性や炭粉沈着などリンパ節の特徴から,色素を用いた検索が困難であり,Radio-isotope(RI)を用いた同定手技が必要である.また臨床応用には,迅速性が高く,微小転移も含めた正確なリンパ節微小転移診断が重要となる.食道癌のSN理論に関する報告は少なく,エビデンスは未だ十分ではない.教室でのSN mappingの結果では,術前診断cN0と診断された食道表在癌で同定率93%であり,免疫染色によるリンパ節微小転移診断を付加して検討した結果,SN理論に基づく転移検出の正診率は100%であった.内視鏡的治療の適応拡大病変や,高齢者や合併症を伴うpoor risk症例に対して臨床応用を開始している.今後の展望として,個別化治療の一つとしての標準的治療になることを視野に入れ,多施設共同による検証が必要である.

キーワード
食道癌, Sentinel Node, Sentinel Node Navigation Surgery, 微小転移, Radioisotope


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