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日外会誌. 109(1): 31-35, 2008


特集

食道癌治療―最近の動向―

7.Salvage手術

国立がんセンター中央病院 食道外科

外村 修一 , 日月 裕司

I.内容要旨
食道癌における化学放射線療法(chemoradiation,以下CRT)は,stage II·III食道癌でも根治が期待される有力なmodalityとなりつつある.しかし,約半数の症例に局所の遺残/再発が認められ,合併症の発生も考慮すると,CRT単独での局所制御には限界がある.
局所に遺残/再発を認めた場合,それを救済できる唯一の治療が外科的切除(salvage手術)である.R0の切除が施行できた症例の生存率は40%を超えており,survival benefitが十分期待できる.
しかし,CRTは照射野に含まれる臓器に様々な影響を及ぼすだけでなく,骨髄や心肺機能にも影響を与える.その結果,あらゆる合併症の発生が多く,時に消化管気管瘻,気道粘膜壊死,縦隔炎など致死的な合併症を起こしうる.
そのため,salvage手術では根治性を求めながらも合併症の発生に配慮した工夫が求められる.個々の症例によって照射野や組織反応の強さ,病変の位置,再発形式などに相違があり,それらも考慮されなければならない.当科では,気道血流に配慮したリンパ節郭清の縮小,右気管支動脈の温存,胸骨後経路での胃管再建を原則とし,症例に応じて適切な術式を選択している.
根治的CRTの普及につれ,salvage手術は外科医として避けられないものになる.術式の工夫だけでなく,CRTと手術を考慮した包括的な視点での検討も求められる.

キーワード
食道癌, 化学放射線療法, Salvage手術


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