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日外会誌. 108(4): 181-185, 2007


特集

重症虚血肢に対する最新の診断と治療

4.各種治療法の手技成績有効性と適応

博愛会病院 

松原 純一

I.内容要旨
閉塞性動脈硬化症やBuerger病のend stageとも言える重症虚血肢(Critical Limb Ischemia,以下CLI)に対する治療は積極的に虚血組織の酸素化を測ることである.
その手段には,血行再建術(バイパス手術や血栓内膜切除術),PTA/ステント,交感神経切除術または焼灼術,高気圧酸素療法,血管新生療法,薬物療法などがある.中でも下腿動脈や足部の動脈へのバイパス手術は成功すれば著功を奏するが,技術と良好な自家静脈が必須条件である.血栓内膜切除術は浅大腿動脈では成績が悪く,下腿動脈以下では不可能であり,最近では殆んど行われない.PTA/ステントは腸骨動脈領域ではfirst choiceであるが,大腿動脈以下では,特に下腿動脈領域では長期成績は悪い.最近いわゆるinterventionistによる血管内治療が急増しているが,患肢の重症度を正しく診断し,単に形態学的に狭窄や閉塞があるから行うという安易な姿勢は許されない.
交感神経切除或いは焼灼はBuerger病には有効なことが多い.高気圧酸素療法は特殊かつ高価な施設が必要であるし,火気厳禁など煩雑で行われなくなった.血管新生療法は未だ実験段階とも言え,臨床での有効性は確立されていない.抗凝固薬や抗血小板剤などの薬物療法はいかなる場合にも必要である.
糖尿病,喫煙,高脂血症,高血圧といった危険因子の厳重なコントロールと同時に虚血性心疾患を含む全身管理も不可欠である.

キーワード
重症虚血肢, バイパス手術, PTA/ステント, 交感神経切除, angiogenesis


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