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日外会誌. 107(4): 164-167, 2006


特集

膵癌治療―最近の動向

2膵癌の早期診断とStage診断

東京女子医科大学 消化器内科

白鳥 敬子

I.内容要旨
膵癌の治療成績向上の鍵は早期診断である.膵癌患者の約30%に腹痛がみられるが,2cm以下の膵癌では18%が無症状であり臨床症状は早期診断にならない.患者背景に膵癌の家族歴,糖尿病合併,喫煙など膵癌の危険因子を確認することが重要である.血中膵酵素や腫瘍マーカー(とくにCA19-9)の測定とともに,早くUSを行うことが勧められる.USでは腫瘍像が描出されなくとも,主膵管のわずかな拡張や小嚢胞などの間接所見があればCT(造影CT)を行い,MRCPEUSへと検査をすすめる.ERCPは分枝膵管像から小膵癌の診断に有用で,細胞診も追加できる.PETによる膵癌の早期診断率は低く有用性はない.膵癌Stage(TNM因子)は個々の画像検査の特性を組み合わせ,総合的に診断される.

キーワード
膵癌, TS1膵癌, 危険因子, Stage


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