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日外会誌. 125(5): 461, 2024

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手術のtips and pitfalls

食道胃接合部癌に対する胸腔内再建を考慮した術式

「食道胃接合部癌に対する胸腔内再建を考慮した術式」によせて

市立ひらかた病院 消化器外科

河合 英



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近年本邦では食道胃接合部癌が増加傾向にあると言われており,食道癌および胃癌ガイドライン内に示されていますが,日本食道学会・日本胃癌学会合同作業部会で手術症例の後方視解析により郭清効果指数に基づいた推奨される至適リンパ節郭清範囲が設定されています.さらには進行食道胃接合部癌の食道浸潤長や最大長径を考慮した郭清範囲についても示されています.しかしながら切除・郭清は可能であっても再建時に使用する臓器やアプローチ・吻合方法については一定の見解がなく,実際手術時に苦慮することも多く,さらには縫合不全などにより重篤な術後合併症を引き起こすことも稀ではありません.今回のtips and pitfallsでは腹腔内からのアプローチだけでは困難な食道浸潤のある食道胃接合部癌の手術術式の中でも特に胸腔内再建法に注目しエキスパートの先生にご紹介いただきました.右胸腔アプローチを併用したIvor- Lewis手術について新東京病院の砂川秀樹先生に,腹腔鏡/左胸腔同時アプローチを併用した術式について北海道大学の海老原裕磨先生に解説をお願いいたしました.食道胃接合部癌のなかでも限られた症例に対するアプローチにはなりますが,食道外科医・胃外科医を悩ます食道胃接合部癌治療の一助になれば幸いです.

 
利益相反:なし

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