日外会誌. 125(3): 192, 2024
会員へのメッセージ
56名の女性代議員が誕生しました.
日本外科学会選挙管理・選挙制度検討委員長,北海道大学大学院消化器外科Ⅰ 武冨 紹信 |
近年の男女共同参画,ダイバーシティ推進の潮流を受け,本会でも女性会員に代議員として活躍してもらえる方策がないかについて,多方向の観点から検討を重ねてきました.本会は,内閣府公益認定等委員会の審査を経た後,内閣総理大臣の認可を受けて,旧社団法人から一般社団法人に移行した経緯があり,内閣府公益認定等委員会の指導勧告を遵守しなければなりません.その内閣府公益認定等委員会の指導勧告の一つとして,「代議員選挙においては,会員に等しく選挙権および被選挙権が保証されねばならない」旨があり,このため,他の内閣府公益認定等委員会の審査を経ていない一般社団法人の学会のように,例えば「代議員選挙で性別や年齢別の枠などを設けたり,推薦制を採ったりする」といった配慮は,当該の指導そのものが変わらない限り,講じることができません.
しかしながら,永続的な学会の発展には,幅広い立場から,特に女性の参画が必至であることは明らかです.今回,内閣府公益認定等委員会の指導勧告を遵守しながら女性代議員を大幅に増加させるため,まず代議員の定数そのものを増員することにいたしました.本会の代議員定数は,一般社団法人に移行した平成24年から「300名以上350名以内」のままで変わりありませんでしたが,この間に会員数は約39,000名から約41,000名へと増加し,女性会員の人数も増えて,現在は会員の約1割,近年では新規入会者の約2割が女性となりました.一方,現在の会員における代議員の割合は約 0.9%に過ぎず,この割合の低さが,女性代議員が6名(代議員総数の2%未満)にとどまっていることの一つの要因と考えられました.このため,まずは代議員数の割合が約1%になるように,50名を増員することを前回令和5年の社員総会で決議いただきました.そして,今回の代議員選挙で当選が確定した393名の新代議員のうち56名が女性となり,その割合も0.9%から14.2%に飛躍的に上昇しました.これもひとえに皆様のご理解の賜物と,この場をお借りしまして深く感謝申し上げます.
今回,日本外科学会代議員となられた先生方にあらためてお祝いと感謝を伝えたいと思います.しかし,数多くの女性代議員を誕生させて終わりではありません.むしろこれからが重要で,日本外科学会を舞台に新代議員の皆様にのびのびと活躍できる場を作っていかなければなりません.そして,女性代議員の活躍を皮切りに,若手,中堅,ベテラン会員もさらに活躍できる発展した日本外科学会を作り上げていきたいと考えております.会員皆様のこれまで以上のご協力をどうぞよろしくお願いいたします.
利益相反:なし
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