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日外会誌. 125(1): 16, 2024

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特集

学会活動,診療・研究にSNS等のツールをどう活用するか

1.特集によせて

高槻赤十字病院 外科

平松 昌子



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スマートフォンやタブレットの普及に伴い,今やSNS (Social networking service)は年齢を問わず日常生活に浸透している.医学系学会でも,特に海外においては様々な学術集会の活動や論文情報が, X (旧twitter), Facebook, Instagram等を通じて発信されている.本邦では炎上リスクを懸念するせいかやや立ち後れている感が否めないが,日本外科学会でもSNS導入に向けて2022年末より準備を進めてきた.ここではまずSNS活用の成功例として,主として会員向けに利用している日本循環器学会,一般向けに発信している日本耳鼻咽喉科頭頸部学会の取り組みをご紹介し,さらに本学会での今後の展望を述べていただく.
臨床の場においては,SNSをチーム内の情報共有ツールとして利用することにより休日の患者の状態やデータが把握でき,緊急症例発生時にはメンバー間でのタイムリーなディスカッションにより,必要以上の医師の登院を回避するなど,働き方改革の一助ともなり得る.研究領域では,ResearchGateやresearchmapなどのASN (Academic social networks)が,研究者間での情報発信や人脈の拡大にも利用されている.
教育面でも,内鏡視下手術やロボット手術が主流となった現在では,手術手技習得のための様々な動画サイトが利用されるようになってきた.インターネット環境さえあれば机上で簡便にエキスパートの手術を見て学ぶことができ,モチベーション向上にもつながる.さらに若手外科医のリクルートにも今やSNSの活用は欠かせない.指導者側もこれらのツールに関する知識をアップデートし,彼らが汎用するプラットフォームに向けて効率的に外科の魅力を発信していく必要があるのかもしれない.

 
利益相反:なし

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