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日外会誌. 124(4): 359, 2023

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会員のための企画

「女性外科医を増やすためには」によせて

横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター 

熊本 宜文



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近年ワークライフバランスが重要視されるようになり,外科はこのまま放置していると生涯の仕事として選択されなくなる恐れがある.さらに,2021年度の医学部入試では,女性の合格率が男性を上回ったと報告されており,今後は女性医師が増えていくことが予想される.このため外科医を増やすためには,働き方改革を進めるとともに,積極的に女性外科医を増やすことが喫緊の課題である.
医師の働き方改革は,進んでいるように感じるが,女性外科医を増やす・働き続けられるための施策はあまり進んでいるとは言えず,今後どのように進めたらいいのか,暗中模索という会員の先生方も多いと思われる.このため,今回の企画は「女性外科医を増やすためには」とした.執筆者は,大阪医科薬科大学一般・消化器外科,河野恵美子先生にお願いした.河野先生は,「消化器外科女性医師の活躍を応援する会」の設立や女性が使いやすい手術機器の研究・開発により,内閣府男女共同参画局の令和2年度「女性のチャレンジ賞」を受賞しており,今回の企画に適任と考えた.
河野先生には女性医師を増やす意義,女性が外科選択を避ける理由あるいは途中で辞める原因について考察いただき,女性外科医を増やすための戦略について提案していただいた.河野先生が提案される女性外科医を増やすための戦略は,私が考えていたよりも根本からの意識改革が必要であった.学会としての意思決定にもっと女性が関わるべきというのは正に待ったなしだと思う.減少が続く外科医の将来を考えると,今,変わらなければ外科は恐竜のように衰退してしまうかもしれない.
今回の企画が会員の皆様の参考となり,女性外科医の増加に少しでも追い風となれば幸いである.

 
利益相反:なし

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