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日外会誌. 122(2): 185, 2021

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会員のための企画

「手術室におけるCOVID-19の感染対策」によせて

浜松医科大学 医学部外科学第二講座

菊池 寛利



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2020年初頭に始まった世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の広がりに伴う医療崩壊が各国で問題となり,医療体制の変化によるCOVID-19以外の疾患に対する影響も大きくなっています.本邦においても,当初は都市部を中心に感染拡大地域が限られておりましたが,2020年春の第一波および夏の第二波により感染が地方にも拡がったことにより,全国各地の医療機関で実際にCOVID-19対応が必要となりました.外科診療を巡る環境も,感染リスクの回避のみならず,医療資源の供給低下や周術期管理体制の制限などに伴う手術適応や術式の再考など,その時々の状況に応じた適切な対応が求められております.2020年末にかけては第三波が到来し,全国各地でCOVID-19が急速に拡がり,より多くの医療機関でCOVID-19対応が求められる様になりました.これに伴い,外科医もCOVID-19診療への従事や,COVID-19患者または疑似症例の予定・緊急手術を担当する機会が増えていくことと思われます.
今号の「会員のための企画」では,国内4カ所の特定感染症指定医療機関の一つである国立国際医療研究センターの外科,手術管理部門において,全国における感染拡大以前からCOVID-19の最前線で外科診療の変化に対応してこられた山田和彦先生に執筆をお願いいたしました.国立国際医療研究センターにおける,これまでの外科診療を取り巻く環境の変化や,手術室や集中治療室におけるCOVID-19対応などを御紹介いただきます.現在や今後の感染拡大およびCOVID-19と共存する新たな時代における,会員の皆様の外科診療の参考となれば幸いです.

 
利益相反:なし

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