[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (1004KB) [会員限定]

日外会誌. 127(2): 213-220, 2026


特集

ICI時代の外科治療

10.皮膚科領域癌について

国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科

山﨑 直也

内容要旨
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の導入により,皮膚科領域癌の薬物療法は大きく進展し,外科治療との組み合わせによるアプローチを行うことで予後改善は現実のものとなった.メラノーマでは術後補助療法としての抗PD-1抗体(ニボルマブ,ペムブロリズマブ)の有効性が確立され,ステージⅡB-Ⅲ期症例を中心に標準治療として定着している.皮膚有棘細胞癌(cSCC)や乳房外パジェット病を代表とする上皮系皮膚悪性腫瘍やメルケル細胞癌といった希少癌に対しては,ICIは切除不能または再発進行例に対して保険適用となっており,いまや貴重な治療選択肢である.ICI治療予定あるいは治療歴を有する症例における周術期管理では,免疫関連有害事象(irAE)の評価や手術と薬物療法のタイミングの最適化に多職種連携が不可欠である.術後補助療法だけでなく,全身療法により病勢制御された患者に対するサルベージ手術の有用性も報告されており,機能温存と局所制御の両立を目指した治療戦略が求められる.またサルベージ手術はメラノーマだけでなく免疫療法の進歩や適応拡大によって他の皮膚癌も十分対象となってくるであろう.ICIと外科治療の有機的な活用は,今後の皮膚癌診療の治療成績向上のために重要な役割を担うと考えられる.

キーワード
免疫チェックポイント阻害薬, 皮膚科領域癌, 外科治療, 周術期管理, サルベージ手術


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。