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日外会誌. 127(2): 206-212, 2026
特集
ICI時代の外科治療
9.ICI時代の泌尿器癌手術
内容要旨
泌尿器領域で免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor; ICI)が保険適応であるのは腎細胞癌と膀胱癌(尿路上皮癌)のみであり,前立腺癌や精巣癌では未だ有効性が確認されていない.腎細胞癌の周術期では,分子標的薬による術前治療により縮小手術(全摘→部切)が可能となったとする単腎症例の報告が存在するが,一般的とはいえない.ICIの導入後も同様である.転移のある症例では,原発巣摘除(腫瘍減量手術)や転移巣切除が従来よりなされているが,分子標的薬やICIの導入以後,有転移症例における原発巣摘除術は限られた症例で実施されるようになった.即ち,ICIは適切な症例選択を通じて手術治療に変化をもたらしている.一方,膀胱癌では,周術期のICI投与が可能であるが,術式(全摘→部切)や適応患者像を変えるほどのインパクトは現時点で証明されていない.ただ,領域リンパ節転移を伴うような高度の局所進行膀胱癌が,ICIを含む強力な治療により手術適応となる可能性が考えられている.遠隔転移を伴う膀胱癌症例においてはコンバージョン手術や転移巣切除術は稀で,その状況はICI時代においても大きな変化はない.いずれの癌腫も全身治療薬の進歩が著しい.特に膀胱癌では近い将来ICIを含む新規レジメンが周術期に導入される可能性が高く,手術適応や手術範囲へのインパクトが予想される.
キーワード
腎細胞癌, 膀胱癌, 尿路上皮癌, 免疫チェックポイント阻害剤, 腫瘍減量手術
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