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日外会誌. 127(2): 192-197, 2026
特集
ICI時代の外科治療
7.胆膵癌について
内容要旨
予後が極めて不良な胆道癌・膵癌において治療成績向上は急務である.悪性黒色腫,非小細胞性肺癌,腎細胞癌などに続き,胃癌や肝細胞癌などで適応を拡大してきた免疫チェックポイント阻害薬は,現在,胆道癌の標準治療になり,また膵癌の一部に適応となった.
2022年,切除不能胆道癌に対してTOPAZ−1試験が行われ,ゲムシタビン+シスプラチン(GC治療)にPD−L1阻害薬であるデュルバルマブを上乗せすることで,標準治療であるGC療法と比較して,全生存期間を延長させる(12.8カ月vs 11.5カ月)ことが明らかになった.更に2023年には,GC療法に加えPD-1阻害薬であるペンブロリズマブを加えた試験群が,対照であるGC療法に対して全生存期間を延長させた(12.7カ月vs 10.9カ月).このようにGC療法に免疫チェックポイント阻害薬を加える治療法は,切除不能胆道癌の標準治療として胆道癌診療ガイドライン改訂第4版に記載された.
一方,膵癌においては,免疫チェックポイント阻害薬単剤での有効性は証明されていない.その中で,MSI-HおよびTMB−High膵癌に対してのみペンブロリズマブの有効性が証明されている.膵癌に効果が少ない理由は,いわゆるCold tumorであり,免疫原性が低く,また間質が密で物理的な壁を形成していることなどが想定されている.現在,このCold tumorをHot tumorに変えるべく,抗癌剤や放射線治療との併用や,分子標的治療との併用が検討されている.
キーワード
胆道癌, 膵癌, 免疫チェックポイント阻害薬, デュルバルマブ, ペンブロリズマブ
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