[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (1658KB) [会員限定]

日外会誌. 127(2): 185-191, 2026


特集

ICI時代の外科治療

6.肝細胞癌におけるICI治療と外科治療の統合戦略―現状と展望―

東京大学医学部附属病院 肝胆膵外科・人工臓器移植外科

高山 真秀 , 市田 晃彦 , 西岡 裕次郎 , 高本 健史 , 河口 義邦 , 長谷川 潔

内容要旨
肝細胞癌は依然として予後不良であり,外科切除は根治的治療となるものの切除可能症例は限られ再発率も高い.従来は分子標的薬や肝動脈化学塞栓療法が進行例に用いられたが,奏効率は低く長期成績も限定的であった.近年,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場により治療戦略は大きく転換し,アテゾリズマブ+ベバシズマブやデュルバルマブ+トレメリムマブ,ニボルマブ+イピリムマブの併用療法が有効性を示している.奏効率の高いこれらのICI治療により,従来は切除不能とされた症例でも外科切除が可能となるconversion surgeryの実施例が増加している.2023年以降,切除可能性分類とconversionの定義が提唱され,施設間での共通の基準が整備された.ICI治療後のconversion surgeryは安全かつ予後改善に寄与することが報告されており,術後補助療法におけるICIの有効性についても現在臨床試験で検討が進められている.しかし,最適な症例選択や治療期間,信頼性の高いバイオマーカーの確立は依然課題であり,奏効評価の精緻化や診療科間の連携強化が求められる.こうした知見の蓄積により,薬物療法と外科治療を組み合わせた戦略で進行肝細胞癌における生存率向上が期待される.

キーワード
肝細胞癌, 薬物治療, 外科治療, 切除不能, conversion surgery


<< 前の論文へ次の論文へ >>

文献の番号に誤りがありましたので、訂正してお詫び申し上げます。

【 誤 】
91)
【 正 】
19)

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。