日外会誌. 126(6): 515-521, 2025
特集
外科志望者を増やす取り組み
3．心臓血管外科医を増やす試み
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順天堂大学 心臓血管外科 田端 実 |
日本における外科志望者の減少は深刻であり，特に長時間労働が常態化している心臓血管外科では医師確保が大きな課題となっている．心臓血管外科を活性化させるためには，単に人数を増やすのではなく，働き方改革と育成環境の整備を通じて，魅力あるキャリアと職場を創出し，同時に分野の未来を切り拓く人材を育成することが不可欠である．本稿では，心臓血管外科医を志望する若手医師を増やす取り組みとして，（1）大学病院と市中病院による修練施設群を活用した多様な修練機会の提供，（2）病院の垣根を越えた業務効率化の試み，（3）フラット型組織によるキャリア機会の創出と施設集約化の推進，（4）診療看護師や集中治療医との連携による外科医業務の負担軽減，（5）待遇改善に向けた挑戦，の5点に分けて論じる．外科医の技術向上，チームワークの醸成，イノベーション創出を促すこれらの取り組みを通じて，次世代の心臓血管外科を支える多様で魅力あるキャリアパスを提示することを目的とする．
キーワード
心臓血管外科, 修練プログラム, チーム医療
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