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日外会誌. 126(5): 458-463, 2025
特集
医療機器開発と医工連携
8.サージカルインテリジェンスの視覚化
内容要旨
私は外科医としての経験を活かしながら,2018年より現場課題に基づいた手術支援AIの開発に取り組んでまいりました.2020年には,“A nautical mission(航海)”を語源とするアナウト株式会社を創業し,本格的な手術支援ソフトウェアの開発と社会実装に取り組んでおります.
手術は,人間の手で行われる最も困難な医療行為の一つです.外科医として一人前になるには少なくとも約10年の経験が必要とされ,さらにテクノロジーの進化によって日々その姿は変化しています.
アナウトは日本国内の30以上の医療機関と協力しながら,世界的にも評価の高い手術エキスパートの「暗黙知」を誰もが共有できることを目指し,プレシジョンマッピング──すなわち患者ごとに異なる人体の精密地図をリアルタイムに可視化する技術──に辿り着きました.
2024年4月に薬事承認を取得したEUREKA
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※1は,「結合組織線維」をピクセル単位の精密さで強調表示することで,剥離層に対する認識支援を実施するシステムです.
今後は可視化できる構造物や解析対象を増やし,日本の知見を可視化・体系化しながらグローバルに展開し,手術を必要とするすべての患者にさらなる安心と安全を届けることを目指しています.
キーワード
手術, 人工知能, 医工連携, グローバリゼーション
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