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日外会誌. 123(2): 165-168, 2022


特集

Corona禍で大きく変わった学術活動,After Coronaでどう舵を切るか

4.アーカイブ配信による発表;ここが良い,ここが問題

熊本大学 消化器外科

馬場 祥史 , 馬場 秀夫

内容要旨
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い,学術集会の在り方も大きな変化を余儀なくされた.完全Web形式で開催された第120,121回日本外科学会定期学術集会は,会期中にライブ配信されただけでなく,会期後にはアーカイブ配信により視聴することができた.アーカイブ配信は,“いつでもどこでも何度でも”,“確実に効率よく”視聴することが可能であり,実際現地開催ではありえない程多くの会員に視聴された演題もあった.一方,一方向性(演者→視聴者)であり臨場感に乏しい,若手医師による人前でのプレゼンテーションの機会が失われるといったアーカイブ配信の問題点も浮き彫りになった.また,長期間視聴可能であることを考えると,未発表データや萌芽的な内容等は発表しづらいといった声も聞かれた.新型コロナウイルス感染症が収束し,再び現地開催の形式に戻ることを切に願うが,現地参加が難しい会員のことを考えれば今後もアーカイブ配信等によるリモート参加も継続されることが望ましいであろう.今後の学術集会のさらなる発展のためにも,アーカイブ配信の長所をさらに伸ばし,問題点を克服していくことが期待される.

キーワード
アーカイブ配信, 現地開催, Web開催, ハイブリッド形式, COVID-19


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