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日外会誌. 122(6): 631-638, 2021


特集

コロナとの対峙 外科診療の変容とポストコロナへ向けて

8.Withコロナ事態下での院内体制構築

東京医科歯科大学 救命救急センター

落合 香苗 , 相星 淳一

内容要旨
新型コロナウイルスの流行は現在も継続しており,陽性患者数は増減を繰り返している.医療機関は国内や地域で陽性患者が増加した時期,減少した時期,それぞれに合わせた役割を求められる.これには,病棟や人員配置,各部門での診療方法などを患者発生状況に合わせて柔軟に対応できる体制作りが必要である.本章では長期にわたる新型コロナウイルスの流行を念頭に,病棟整備,人員配置,患者隔離と隔離解除基準などのルール作りについて自施設の経験を交えて解説する.また,手術室や救急外来などの各部門において,状況に応じて安全に診療を継続していくためのポイントについても紹介する.多くの判断を個人の裁量権に任せると,判断にばらつきが出て現場が混乱する,判断の責任が負担になる,といった弊害が起こりやすい.これを避けるにはあらかじめ取り決めを行い,迷わず判断できるフローを作成しておくことが重要である.取り決めは感染流行状況や新しい知見,現場での実行性に応じて随時改訂が必要である.クラスター発生を防ぎ,陽性患者の対応と並行して一般診療機能を可及的に維持していくことが,現在の医療機関の課題である.

キーワード
病棟整備, 人員配置, 隔離解除, 手術, 救急外来


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