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日外会誌. 120(6): 632-638, 2019


特集

外科医とがん登録―NCDから見えてきたわが国のがん治療の実態―

2.肺がん登録

1) 全国肺癌合同登録委員会委員長,千葉大学大学院医学研究院呼吸器病態外科学 
2) 全国肺癌合同登録委員会事務局長,国立病院機構大阪刀根山医療センター 

吉野 一郎1) , 奥村 明之進2)

内容要旨
わが国の肺がん登録事業を担っている全国肺癌登録合同委員会は,1996年に日本呼吸器外科学会,日本肺癌学会の人的,財政的支援を元に設立され,現在では日本呼吸器学会,日本呼吸器内視鏡学会,日本胸腺研究会,日本胸部外科学会の支援を受けている全国的組織であり,原発性肺がんを中心に胸部悪性腫瘍の登録研究を行ってきた.活動の目的は,実臨床における治療の現状分析,予後因子の解析,国際データベースへの協力とTNM分類への貢献であるが,ほとんどは後方視的な当該年の研究である.一方,2011年より外科手術症例の登録事業であるNational Clinical Database(NCD)が開始され,わが国の外科医療の実態が明らかにされるようになったが,急性期の成績のみで,がん登録にはなり得ていない.本稿では,全国肺癌登録合同委員会の活動を報告し,肺がん登録の将来展望について論じる.

キーワード
がん登録, 原発性肺癌, データベース, 手術, 化学療法


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