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日外会誌. 120(5): 517-519, 2019


特集

外科医育成のためのOff-the-job training(Off-JT)の現状と将来

5.米国のOff-JTに学ぶ

Brigham and Women’s Hospital/Department of Cardiac Surgery 

河野 裕志 , 金子 剛士

内容要旨
医学領域におけるOff-the-job training(Off-JT)とは,臨床判断や診断力,あるいは実臨床において必要な手技の習得を目的として実際の臨床現場とは異なる場所で行うトレーニングの総称である.心臓血管外科領域では,必要とされる幅広い手技や知識を習得するために十分な経験を実臨床のみで得るためには膨大な時間を要する.それ故Off-JTは専門知識と技術の少しでも早い習得に貢献できる可能性を秘めている.殊にOff-JTでは実際の患者を対象としないため,実臨床において一定の経験を必要とする高度な手技であっても,失敗を恐れることなく手技を行うことで知識,技術を深めることができるという利点がある.実際,その点を考慮して,平成29年から実施された専門医制度では心臓血管外科専門医取得にOff-JTを30時間履修することが条件として定められている.
本稿では主に米国におけるOff-JTの現状を伝えるとともに,日本でのOff-JTとの比較を交えて考察していきたい.

キーワード
Off-the-job training, 心臓血管外科, 米国


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