[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (7457KB) [会員限定]

日外会誌. 120(4): 405-412, 2019


特集

膵手術・膵癌治療の進歩

3.膵頭十二指腸手術―低侵襲手術の導入―腹腔鏡下手術とロボット支援下手術

藤田医科大学 総合消化器外科

小島 正之 , 宇山 一朗 , 木口 剛造 , 犬飼 美智子 , 三井 哲史 , 棚橋 義直 , 安田 顕 , 中嶋 早苗 , 須田 康一 , 加藤 悠太郎 , 杉岡 篤

内容要旨
近年,腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(LPD)やロボット支援下膵頭十二指腸切除術(RPD)などの低侵襲膵頭十二指腸切除術(MIPD)が導入されつつある.しかし,MIPDは狭いワーキングスペースでの血管処理や動作制限を伴う膵空腸吻合などにおいて開腹下膵頭十二指腸切除術(OPD)以上に高難度で発展途上の術式である.当科では2008年よりLPDを20例,2009年よりRPDを20例に実施し,その過程で切除と血管処理においてはSemi-derotation technique,膵空腸吻合においてはWrapping double mattress anastomosis (Kiguchi-method)等の手技の工夫で術式の定型化を図ってきた.定型化後のLPD 13例,RPD 8例では共にISGPF grade B以上の膵液瘻(CR-POPF)は認めなかった.現時点でLPDとRPDの優劣は不明であるが,今後RPDにおける課題が克服されれば,より高難度な症例でRPDの優位性が発揮されるものと期待される.

キーワード
低侵襲膵頭十二指腸切除術, 腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術, ロボット支援下膵頭十二指腸切除術, Semi-derotation technique, Wrapping double mattress anastomosis (Kiguchi-method)


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。