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日外会誌. 116(1): 70-75, 2015


総説

国立大学医学部に係わる諸問題―大学病院医師の低俸給を中心に―

財団法人平成紫川会小倉記念病院 理事

高椋 正俊

I.内容要旨
教育,研究,臨床の三部門を率いる大学病院は,医学の頂点にあるといっても過言ではない.しかし,大学病院に勤務する医師の待遇は,国立病院,公的・民間病院の医師に較べると極めて悪い.これは,国立大学病院医師の待遇が「教育職員」であることによる.一方,国立病院は民営化された後も,医師は「医療職員」であることに変わりない.
医療にのみ従事する国立病院に比較して,卒前・卒後の教育や研究,医療のトップレベルの仕事をしている大学病院勤務の医師が,現在の給与では生活が出来ないとしてその場を立ち去るような事態が起これば,日本の大きな損失である.それを防ぐ方策は,国立大学病院医師の「教育職員」より「医療職員」への職種変更である.そのためには,国立大学病院・医学部と行政との交渉に際し,勤務医会員を大幅に増やした日本医師会の協力が必要であろう.

キーワード
医療職員, 教育職員, 職種変更


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