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日外会誌. 115(3): 152-156, 2014


会員のための企画

極低出生体重児の外科治療

新生児科の立場から(NECに焦点をあてて)

埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター長,同 小児科

田村 正徳

I.内容要旨
日本では呼吸·循環管理を中心とした新生児医療の発展により新生児死亡率が劇的に減少し世界でも最も低値となっている.その分だけ相対的に奇形·染色体異常と小児外科疾患と感染症が死亡主因として重要になってきている.2003年から2011年のNRNデータベースによれば極低出生体重児では,外科的手術を受けなかった症例の新生児死亡率は8.4%であったのに対してPDA以外の手術を必要とした症例の新生児死亡率は21%と有意に高かった.特に極低出生体重児に多い消化管穿孔事例の死亡率はまだまだ高く改善の余地が大きい.NECは手術事例も非手術事例も死亡率が高く,従来のレントゲン検査法を中心とした診断法に基づいた対応では予後の改善は期待出来ず,早期診断法と副作用の少ない予防対策の開発·確立が求められている.

キーワード
極低出生体重児, 外科治療, 消化管穿孔, NEC


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