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日外会誌. 114(3): 137-140, 2013


特集

外科ライブ手術の意義とあり方について

4.内視鏡手術におけるライブ手術の意義

大阪医科大学 一般·消化器外科

奥田 準二

I.内容要旨
内視鏡手術の利点のひとつに良好な術野画像の共有が挙げられる.従来の開腹手術などにおいては,術者にしか,時には術者にさえ見えなかった良好な術野をモニター上で共有できる利点は手術チームのみならず,手術見学者への教育にも非常に有用である.しかし,内視鏡手術は,従来の開腹手術などに比べて難易度が高いとされている.また,ライブ手術には,倫理的問題に加えて,術者を始めとする手術チームへのストレスが大きく,安全で質の高い手術をデモンストレーションするには,術者や手術チームの能力のみならず,的確な司会のもとに適切な進行と不測の事態などへの迅速な対応が行えるシステムのもとでの施行が必須である.一方で,近年は手術も含めてガラス張りの医療が求められており,ライブ手術を通じて「説明のできる手術」として応えることは他の外科医への指導や術者の修行のため以上に個々の患者の安全で質の高い手術の確立ためにも非常に有用と考えられる.したがって,内視鏡下の良好な画像共有を活用したライブデモンストレーションは,難易度の高い内視鏡手術の効果的な教育と健全な普及に大きな役割を果たすと考えられる.

キーワード
ライブ手術, 内視鏡外科手術, 教育効果, 画像共有, 技術伝承


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