[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (410KB) [会員限定]

日外会誌. 114(1): 22-27, 2013


特集

癌のリンパ節微小転移―外科治療からみた臨床意義―

6.乳癌

聖マリアンナ医科大学 乳腺·内分泌外科

津川 浩一郎

I.内容要旨
腋窩リンパ節転移は浸潤性乳癌において最も重要な予後因子の一つである.センチネルリンパ節生検によって最も転移をきたしやすいリンパ節が同定可能となり,それを詳細に検索することによりリンパ節微小転移が多く発見されるようになった.センチネルリンパ節に微小転移を有する症例は,マクロ転移を含めた非センチネルリンパ節転移を有している可能性がある.さらに,センチネルリンパ節の微小転移は再発リスクや予後を予測する因子になりうる.センチネルリンパ節に微小転移を認めた症例における腋窩リンパ節郭清には直接の再発抑制や予後改善効果はない.しかしながら,正確な病期診断が行われ,適切な全身薬物療法が行われる機会を増やし,長期的な予後改善に繋がる可能性がある.

キーワード
乳癌, センチネルリンパ節, 微小転移, リンパ節郭清, 予後


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。