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日外会誌. 110(4): 199-202, 2009


特集

小児外科疾患術後患者の長期予後―成人期における諸問題―

6.短腸症候群

順天堂大学 小児外科·小児泌尿生殖器外科

山高 篤行 , 加藤 善史

I.内容要旨
短腸症候群は,小腸の大量切除に伴う消化吸収障害を呈し,長期にわたる静脈栄養により,カテーテル感染や肝障害など様々な合併症を伴う.また,本症は生命予後のみならずquality of lifeの面からも多くの問題点をかかえている.
本症における治療の目標は,静脈栄養からの離脱を図ることにある.しかしながら,残存腸管の極めて短い症例では治療に難渋する場合も多く,腸管延長術や小腸移植等の外科的治療の適応が考慮される.近年,新しい外科的治療の可能性としてSerial transverse enteroplasty(STEP)が考案され,その有用性が期待される.一方,小腸移植の成績も向上してきており,過度に長期の静脈栄養管理による残存ルートの消失を避け,全身状態が比較的よいうちに移植の適応について慎重に考慮する必要がある.

キーワード
短腸症候群, 治療, 長期予後, 小腸移植


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