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日外会誌. 108(1): 23-29, 2007


特集

癌の外科治療におけるインフォームドコンセント

6.胆道癌

北海道大学 腫瘍外科学分野

狭間 一明 , 近藤 哲

I.内容要旨
胆道癌の治療については現在のところ手術療法のみが根治を期待できる唯一の治療法である.胆道癌手術では腫瘍の局在と進展度に応じて多彩な術式が選択され,大量肝切除をともなった胆管切除や血行再建をともなった膵頭十二指腸切除などの高度侵襲手術も多く施行されていることから術前に自己決定権に基づいた同意を得ておくことは必須である.手術時のインフォームドコンセントの内容としては無治療時の疾患の自然史と根治的治療法としての手術療法の説明にはじまり,代替治療の提示,術式の説明,予想される合併症,術後経過,癌の再発や予後など網羅的に行っている.このほか合併症の発生時や退院時などにも可能な限り説明の機会を持つことが良好な医師―患者関係を構築することに寄与すると考え実行している.
悪性疾患としての胆道癌の治癒率はいまだ満足すべきものではなく,インフォームドコンセントに際しても個々の患者に対して最良の治療を追及していく真摯な姿勢が求められる.

キーワード
胆道癌, インフォームドコンセント, 自己決定権


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