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日外会誌. 106(11): 694-699, 2005
特集
先端技術の外科学への応用
5.埋め込み型人工心臓
I.内容要旨
人工心臓は自然心のポンプ機能の一部または全てを人工のポンプシステムで置き換えようとするものであり,ドナー数の限界から,世界的に漸減傾向にある心臓移植に代わる治療手段としての実用化が切望されている.半世紀近い開発と実験的臨床応用の歴史を経て,抗血栓性を筆頭とする生体適合性の問題も格段に向上しており,体外にポンプを設置して冷蔵庫大の空気圧発生装置で駆動する体外設置型補助人工心臓から,体内にポンプも制御装置も全て埋込む電動の完全置換型人工心臓まで,現在20機種以上の様々な用途,形態の人工心臓が臨床応用に供されている.当初は自然心と同様の原理の容積型ポンプを用いたものが主流であったが,現在では,より小型で構造が単純な,ターボ型ポンプを用いたものが多数登場してきており,心臓移植と並ぶ標準的な治療手段として姿が見え始めてきた人工心臓は,世代交代の時代を迎えつつある.
キーワード
補助人工心臓, 完全置換型人工心臓, 心臓移植, 拍動流ポンプ, 遠心ポンプ, 軸流ポンプ
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