[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (402KB) [会員限定]

日外会誌. 106(11): 689-693, 2005


特集

先端技術の外科学への応用

4ロボット手術

九州大学病院 先端医工学診療部・救急部
九州大学大学院 医学研究院災害救急医学

橋爪 誠

I.内容要旨
現在世界で臨床応用されている手術支援ロボットには,ダビンチ,ゼウス,ロボドッグ,ニューロボット,ナビオットなどがある.ダビンチはすでに全世界に331台設置され,腹部外科,呼吸器外科,心臓外科,泌尿器科,婦人科でFDAの認可を受け,内視鏡外科手術のほとんどすべての術式が実施可能となった.ロボット手術症例は,2000年には1,500例であったのが,2004年には20,000例に達している.
一方,我が国ではダビンチの治験は終了したが,医療機器としての認可は下りていないのが現状である.我が国でロボット手術を普及するためには,医療機器の認可制度や保険医療制度の見直しも重要である.
研究開発では,より小型の手術支援ロボットの開発が行われており,日本製の手術支援ロボットを用いた動物実験で,東京―富士宮間,福岡―ソウル間を電話回線やインターネットで接続して,遠隔手術に成功した.
今後,術前計画シミュレーションシステム,外科医の教育訓練シミュレーションシステム,画像誘導システム等の開発と相俟って,ロボット手術により患者に優しい未来型医療が実現されるものと期待される.

キーワード
ロボット手術, コンピュータ外科手術, シミュレーション, ナビゲーション, 精密手術


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。