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日外会誌. 106(10): 645-648, 2005


特集

包括医療の導入による影響と対策

5.呼吸器外科領域における包括医療の影響と対策

国立がんセンター中央病院 内視鏡部

土田 敬明

I.内容要旨
診断群分類による包括支払い方式(DPC)導入は,病院経営側,支払い側,および医政側のそれぞれにそれなりのメリットはあると考えられるが,患者側および医療者側への影響はどうだろうか.
肺の悪性腫瘍・肺悪性腫瘍手術あり・処置等1なしのケースで,DPC対象病院の平均在院日数は短縮している.しかし,この入院期間はDPC対象外病院でも短縮しており,DPCの影響は少ないと思われる.医療材料・医薬品の使用量・質の変化に関してもDPC対象外病院でも行われていることは確実であるため,DPC導入による影響とは言い難い.入院中の検査の抑制は,DPC導入の影響を最も受けたもののひとつであるが,術前検査は外来で行っており,術後の検査はあまり抑制されていないと思われる.
DPCは病院経営を分析するツールとして有用であるが,医療内容について分析するツールとしても有用である.これを利用して医療の質を向上させることも可能である.

キーワード
包括医療, DPC, 呼吸器外科, 医療の質, マネージドケア


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