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日外会誌. 106(8): 472-478, 2005


特集

内分泌外科の臨床診断と外科治療

5.膵内分泌腫瘍の最新の治療

大阪府済生会野江病院院長,京都大学名誉教授 

今村 正之

I.内容要旨
膵内分泌腫瘍治療の最新の要点を幾つか述べた.インスリノーマは良性が多いが,MEN 1患者では多発例が多くて膵尾側亜全摘と郭清でのみ治癒しうること.その他の悪性腫瘍(ガストリノーマ)などではSASI Testを実施して局在診断を付けた後,郭清を伴う切除術を行えば根治しうること.遠隔転移巣の診断にSRSが有用だが,昨年本邦で承認されず,世界に遅れていること.MEN 1患者のガストリノーマ患者では十二指腸内多発例が半数を占めて,PPTDの適応例も多いこと.肝転移が悪性腫瘍の予後因子であること.従っていたずらに経過観察していては,23%に肝転移が起こること.オクトレオチドLARは,ソマトスタチン受容体を有している腫瘍では有用であること.化学療法剤とRFを切除術に加えることで,遠隔転移例でも長期生存できることなどを述べた.

キーワード
膵内分泌腫瘍, インスリノーマ, ガストリノーマ, グルカゴノーマ, MEN1型


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