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日外会誌. 106(7): 431-436, 2005


特集

小児固形腫瘍の治療戦略

6.横紋筋肉腫

慶應義塾大学 小児外科

森川 康英

I.内容要旨
横紋筋肉腫は発生部位が多岐にわたり,わが国では年間80例程度の新規発生が推定される.これまでわが国の治療成績は米国IRSの成績に比べて15%程度低い5年生存率であり,改善が強く望まれる腫瘍である.これまで術後のgroup分類によって化学療法が選択されてきたが,IRS IV以降は腫瘍の組織型,発生部位,術前stageおよび術後group分類によりリスク分類が行われるようになり,それぞれのリスクに対応した化学療法,放射線治療が行われるようになった.横紋筋肉腫における外科治療の位置づけは腫瘍の発生部位により異なり,眼窩などの予後良好部位では化学療法が優先され,四肢や後腹膜では完全切除の役割は大きい.胞巣型は胎児型に比べて予後不要である.低リスクおよび中間リスク群横紋筋肉腫にたいする標準的化学療法はVAC療法である.高リスク群に対しては治療成績改善のためにCPT-11や幹細胞移植を併用した大量化学療法が臨床試験中である.

キーワード
横紋筋肉腫, Rhabdomyosarcoma, VAC, 胎児型, 胞巣型

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