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日外会誌. 106(3): 258-262, 2005
外科学会会員のための企画
外科医の技術料について考える
外科医の技術は診療報酬上正当に評価されているか諸外国における外科の技術料評価―米国での試み
I.内容要旨
医師技術料の評価をめぐって,現行保険点数の妥当性に疑問を呈する声は少なくない.国内では外科系学会社会保険委員会連合による手術報酬に関する試案などが提示されている.国外の例として,1992年から米国の高齢者公的保険(Medicare)のパートBで導入されたResourcebased Relative Value System(RBRVS)を紹介し,その内容を外保連試案と比較対照する.RBRVSは狭義の医師労力,技術提供に関する直接・間接費用,そして医療訴訟に対する保険料関連の費用の3つから構成され,地域事情をかんがみた補正がされている.2002年から全項目について投入資源量に対応した形で,各手技ごとに相対値が計算されている.合衆国政府保険者と米国医師会が共同で精緻化を進めているのが特徴である.これと外保連試案を比較すると,両者の間には手法論的な違いもあるが,それよりも大きな隔たりは,医師技術をだれがどう評価するかという,医療供給体制や医療保険体制そのものの違いにある.医療制度全体において,医師の仕事と成果はどう評価されるべきなのかという大きな枠組みがあいまいなままでは,技術料の計算は意義が薄いことを主張する.
キーワード
Resourcebased Relative Value System(RBRVS), Current Produce Terminology(CPT), 外保連試案
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