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日外会誌. 106(3): 263-268, 2005


外科学会会員のための企画

外科医の技術料について考える

諸外国における外科の技術料評価―フランスにおける医療行為共通分類(CCAM)―

産業医科大学医学部 公衆衛生学教室

松田 晋哉

I.内容要旨
わが国のみならず,現在,多くの国で医療財政をいかに適正化するかが大きな課題となっている.わが国やフランスなど,公的社会保険制度を採用している国では,診療報酬表に基づく出来高払い方式が伝統的に採用されてきた.診療報酬表は公的保険において支払い対象となるサービスの種類とその価格を定めたメニューのような機能を持っている.この機能のゆえに,診療報酬表の内容はその時々の社会経済情勢の影響を強く受けて,しばしば政治的駆け引きの対象となり,そのために個々の医療サービスの価格は原価から乖離したものになっていった.臨床面のみならず,経済面でも医療サービスに関する情報の透明性が求められている今日の状況において,個々の医療サービスの原価について検討することが,多くの先進国において課題となっている.この領域における最も有名な業績はHsiaoによるRBRVSの開発であり,この成果は他の国々における同様の事業のモデルとなった.フランスでは,このHsiaoの業績を参考として医療行為共通分類(CCAM:Classification Commune des Activités Médicaux)が開発されている.この開発過程から,現在わが国でも議論の対象となっているコストを反映した診療報酬体系のあり方を考える上で学ぶべき点は多い.本論文では,わが国の診療行為体系の見直しに資する目的でフランスのCCAMについて説明する.

キーワード
外科, 技術料, フランス, CCAM


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