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日外会誌. 105(8): 430-434, 2004


特集

外科領域における再生医療の現況と展望

2.再生医学研究の現況と展望

横浜市立大学大学院 医科学研究科臓器再生医学

谷口 英樹

I.内容要旨
臓器移植や人工臓器などにより“臓器を置換する”という治療概念は,医療として確立されつつあるが,その限界も明らかである.「腕が切断されたら再び新しい腕を生やしてやる」というような,組織や臓器の“再構成”による治療法の開発を目指すことが,21世紀の外科学のひとつの重要な方向性であろう.幹細胞(stem cell)は,ある組織を構成する細胞集団の根幹に位置する細胞であり,その分化・増殖機構の制御に基づいて,器官形成・恒常性維持・組織修復などの重要なプロセスが担われている.したがって,“再構成”という生命現象を自在に操るためには,まず,各臓器における幹細胞生物学の解明という基盤研究を推進していく必要がある.すなわち,再生医学研究などに代表されるような外科領域における実用化技術の開発においても,基盤科学の重要性がより大きくなっていくことが予想される.

キーワード
再生医学, 臓器移植, 人工臓器, 幹細胞


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