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日外会誌. 105(6): 374-379, 2004


特集

腹部外科領域におけるinterventional radiologyの応用:最新の知見

6.胆道狭窄に対するIVR

福岡大学 第1外科

池田 靖洋 , 眞栄城 兼清

I.内容要旨
胆道狭窄に対する胆道ステント治療は,膵胆道領域における代表的なInterventional radiology(IVR)である.IVRは低侵襲であり,Quality of life(QOL)に優れているが,不適切な使用法による弊害も指摘されている.経皮的と内視鏡的アプローチ法があり,胆道狭窄では病態に応じたアクセスルートとステントの選択が重要になる.ステントはtube stent(TS)とexpandable metallic stent(EMS)に大別される.TSはcloggingが生じやすく,開存期間が短いが,安価で交換の容易さから良性狭窄や切除可能例の一時ステントに有用である.一方,EMSは開存期間が長く,肝門部狭窄における複数本留置に適している.しかし,悪性例におけるEMS内腔への腫瘍増殖はステント閉塞の大きな要因であり,開存期間延長のために放射線治療,マイクロ波凝固治療,温熱治療などが併用され,切除不能例において開存期間と生存期間の延長を認めている.一方,EMSは抜去が困難であり,長期経過も解明されていないことから,良性狭窄に適応すべきでない.

キーワード
胆道狭窄, 胆道IVR, 胆道ステント治療, 癌局所治療, 胆管腔内治療, EMS


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