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日外会誌. 105(4): 281-285, 2004


特集

Oncogenic emergencyとその対応

5.胃癌

昭和大学附属豊洲病院 外科

熊谷 一秀

I.内容要旨
Oncologic emergenciesの病態は様々であり器質的なもの,代謝障害,血液障害,免疫不全など多岐にわたる.本稿では胃癌の浸潤,転移病態から引き起こされるoncologic emergenciesのうち比較的頻度の多いものについて概説した.救急病態を原発巣自体による穿孔,出血,閉塞,転移再発巣による閉塞性黄疸,水腎症,腸閉塞症,DIC(disseminated intravascular coagulation),化学療法によるものなどに分類した.穿孔は胃癌穿孔を念頭においた治療チャート,出血は内視鏡的止血処置,閉塞性黄疸はPTCD, ENBDなどの技術,水腎症は腎棲造設,尿管ステントチューブ,DICは癌管理における血液凝固機能チェック,感染対策などが重要である.胃癌治療にあたっても癌の進行に伴い様々なoncologic emergenciesという病態が存在することを十分に認識して管理することが必要であり,癌進行の病期,予後などを常に念頭におき救急病態に対する治療を行うことが重要である.

キーワード
胃癌のoncologic emergencies, 胃癌穿孔, 閉塞性黄疸, 水腎症, 化学療法


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