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日外会誌. 104(9): 601-605, 2003


特集

食道良性疾患の外科治療

6.食道憩室

山口大学 医学部消化器・腫瘍外科

安部 俊弘 , 丹黒 章 , 岡 正朗

I.内容要旨
食道憩室は日常診療では遭遇することの少ない,比較的稀な疾患である.胸部中部食道憩室は牽引性の憩室で治療対象となることは少ないが,咽頭食道憩室,横隔膜上憩室は圧出性憩室で,食道運動機能異常を伴うことも多く,外科的治療の対象となる.治療にあたっては憩室の切除のみではなく,食道運動機能異常に対する治療(筋層切開術,逆流防止術など)も重要である.しかし,術前の運動機能異常を有しない症例に対して,これらの手術を併施するかどうかは一定の見解を得られていない.また,最近では横隔膜上食道憩室に対してはminimally invasive surgeryの点から,腹腔鏡下手術や胸腔鏡下手術など鏡視下手術も積極的に取り入れられ,今後,第一選択になっていくと考えられる.

キーワード
食道憩室, 外科治療


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