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日外会誌. 104(9): 597-600, 2003


特集

食道良性疾患の外科治療

5.アカラシア

1) 銚子市立総合病院 外科
2) 日本大学 医学部外科

佐藤 博信1) , 山形 基夫2)

I.内容要旨
食道アカラシア手術の基本方針は噴門通過障害の改善と食道胃逆流防止機構の再建である.通過障害を解除しただけでは,それによって惹起される食道胃逆流を防止することは困難である.この通過障害の解除と逆流防止機構の強化という相反する病態をどこまで手術的に治癒させうるかが,本症の術後成績を向上させるポイントになる.下部食道噴門部の切開法には,Wendel法で代表されるように食道壁の全層切開を行う方法とHeller法で代表されるように粘膜外筋層切開する方法に大別できるが,本稿においては,後者に分類されるGirard変法について,腹腔鏡下アプローチで行う手術手技の概要とその治療成績を述べた.Girard変法の基本方針は,完全な筋層切開と噴門部の恒久的拡張,下部食道の牽引と横縫合による粘膜弁の作成,胃底部逢着によるHiss角の強調が中心となる.

キーワード
食道アカラシア, Girard変法, 腹腔鏡下手術, Heller myotomy


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