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日外会誌. 104(8): 549-553, 2003


特集

外科領域におけるステント療法

4.肝胆膵

秋田大学 第1外科

安藤 秀明 , 安井 應紀 , 黒川 敏昭 , 佐藤 勤

I.内容要旨
胆道ステントはプラスチックステントから,より挿入径が細く,留置部位で大口径になるExpandable Metallic Stent(EMS)の登場により,切除不能胆道狭窄の予後は改善された.胆道用ステントは各メーカーから数種のものが提供されているが,各々の特徴をもちそれを十分理解した上で使用しなければ重篤な合併症を引き起こす可能性が高い.また,病巣進展を正確に診断し,正確なステント留置を行うにはPTBD経路による胆道ドレナージおよびステント留置が有利である.胆嚢癌や膵癌など胆管外圧迫による胆道閉塞ではステント再閉塞は来しにくいが,胆管癌症例では腫瘍増殖による再閉塞が必須であり,再ドレナージ・再ステントをも予測したステントの選択・留置が必要である.
門脈に対するステント治療は,門脈閉塞により副血行路が完成した症例ではステント留置しても血流再開は難しく,門脈ステントは副血行路の完成以前に行う必要がある.
ステント治療は有用な治療法であるが,あくまでも姑息的治療であり,安易に行うべきでなく.適応と使用ステントの特性を十分検討・理解して行わなければならない.

キーワード
自己拡張型金属ステント, 胆道ステント, 門脈ステント


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