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日外会誌. 104(7): 527-529, 2003


特集

感染症と分子生物学

8.耐性菌感染症に対する抗菌薬療法の分子生物学の応用

東邦大学 外科学第3講座

草地 信也

I.内容要旨
消化器術後の重症感染症例ではMRSAやP. aeruginosaといった多剤耐性菌を原因とすることが多い.特に,このような症例から分離されるP. aeruginosaはIPMをはじめとする多くのβ-ラクタム薬にも耐性を示す.しかし,IPM耐性P. aeruginosaでも,MEPM, CAZ,CPFXには感受性であることが多い.IPM耐性P. aeruginosaでは,外膜透過孔を形成するouter menbreme protein(Opr)D, OprD2,OprC, OprE1が欠損しており,IPMが外膜を透過できないが, MEPM, CAZ, CPFXはその影響を受けがたいこと知られている.よって,これらの遺伝子の存在をPCR法を用いて同定できれば,薬剤感受性検査の結果を待たずして適切な抗菌薬が投与されよう.

キーワード
IPM耐性緑膿菌, カルバペネム, 重症感染症, MRSA, OprD

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